「上中里駅」は新宿・渋谷・東京などの主要駅には「20分足らず」で到着できる便利な街

毎回、都心のさまざまな「駅」に焦点を当て、その周辺エリアの住みやすさや街の便利な情報をお届けしている当「タウン情報」ですが、今回はこれまで「サブ路線」として取り上げられることの多かった「JR京浜東北線」の「上中里駅」をお送りしましょう。

さて、こちらの「上中里駅」ですが、すでにごぞんじの方もいらっしゃるように「京浜東北線の中でも最も利用者数が少ない駅」として有名です。

しかし、そうはいっても、れっきとした「東京23区内にある鉄道駅」であり、乗り換えがあるとはいえ、「新宿・渋谷・東京」などの主要駅には「20分足らず」で到着できるなど、なかなか侮れない実力を秘めているのです。

では、登場回数の少ない「京浜東北線」のおさらいもかねて、今回は「駅・路線の歴史」から行ってみましょうか。

上中里駅

「上中里駅」の駅・路線の歴史

さて、これまでの例でいえば「王子・東十条」や「田端・日暮里・西日暮里」など複数の路線が通る駅の回で補助的に登場してきた「JR京浜東北線」。

しかし、1914年（大正3年）に発足した「東京駅－高島町（現在の同名駅とは関連はない）」間を結ぶ路線がその起源となるなど、意外に長い歴史を持つ路線であり、現在の運行形態「大宮－大船（根岸線）」という形になってからですら「40年以上」の歴史を持つかなりのベテランです。（2014年には運行100周年を迎えています！）

上中里駅へ続くエレベーター

ただ、何度かご紹介していますが、この「京浜東北線」というのはあくまで「便宜上用いられている「通称」でしかない」ため、実際は「東海道本線（「東京－横浜」間）」と「東北本線（「東京－大宮」間）」が正式名称となります。

ただ、この路線のデビューは残念なことに、とても「成功した」とはいえない「トホホ」なエピソードを持っています。

実は、1914年12月20日の開業日以降、わずか6日で「運行休止」に追い込まれてしまったのです。（およそ半年後の1915年5月10日に運行再開）

さらには、その3か月後の同年8月15日に「移転した横浜駅に統合される形で初代「高島町駅」が廃止」となっています。

と、ここまではなかなか残念な印象が強い「京浜東北線」ですが、この開業時期は、現在某超人気漫画（個性的なキャラクターたちが人を喰う「鬼」を退治するストーリーのアレです・笑）・アニメにおける舞台となった「大正時代前半」であり、作中に登場する「無限列車（こちらは汽車ですが）」とは異なり「電車」ではありますが、車内装などはほぼ同一と考えて良いでしょう。

上中里駅からの眺め

そう考えると「ひょっとしたら？」というワクワク感がありますよね？

確かに、主な舞台となっているのは都心ですし、キャラクターのひとりである某柱（女性です）の出身地はなんと「上中里」が属していた「滝野川村」ですので、ひょっとしたらニアミスしているかもしれませんよ？

さて「京浜東北線」の面目が多少回復した所で、次は今回の主役である「上中里駅」の歴史に迫っていきましょうか。

こちらの「上中里駅」ですが、歴史のある「京浜東北線」の中でもやや「後発組」となる1933年（昭和8年）の開業となっています。

ただ、後発とはいっても当時「鉄道省の駅」として開業しているので、都心の鉄道の中ではかなり古参の部類であり、すでに開業から90年近く現役を続けている「タフ」な存在でもありますね。

その立地などもあり、あまり大きな事件のない平和な駅ではありますが、そんな「上中里駅」が唯一と言っていい程「緊迫した状況」となったのが、2013年（平成25年）のこと。

実はこの年の3月に、近隣で発見された「旧日本軍の不発弾」を「爆破処理」するため、同年6月に数時間（11：00～14：00）だけ、運休していたのです。
（ちなみに「爆破処理」とは、できるかぎり危険な要素を排除した上で、対象となる爆発物を現地でわざと爆発させる処理法です）

では、紙面にも限りがありますので、そろそろ次のセクションへ行きましょう！

上中里駅前

上中里駅の街の歴史

続いては今回の「上中里駅」がある「北区上中里」の歴史に続いていきましょうか。

先のセクションでもちらっとご紹介した通り、この「上中里」という地名は、この一帯が属していた「北豊島郡滝野川村」の一部となっていますが、この「滝野川村」は1889年（明治22年）に施行された「町村制」への移行によって成立しており、その後「滝野川町」を経た1947年（昭和22年）には、当時の「東京市」へと編入することで「滝野川区」となります。

上中里駅周辺の街並み