今だから知っておきたい「住まいの地震対策」!?
かつてないほどの生活リスクとなった「地震」に対してできること
今回は「自分でできる住まいの地震対策」について、おうち不動産は、いくつかトピックをご紹介いたします。
現在、連日の報道やニュースなどでも多く取り上げられるようになった「地震」ですが、世界でも有数の地震大国であるわが国では「耐震構造」や、地震に対する保険などが年々充実してきています。
しかし、そんな「地震」に対しての備えも、ケガをして逃げられなくなっては本末転倒というもの。
こちらの記事では、そんな事態を避けるための、私たち自身ができる対策を一緒に考えていきましょう。
建物や保険のではなく、有形の「地震対策」を!
冒頭でもご紹介したように「自分でできる地震対策」に関する記事やニュースは、意外にもあまり見かけることがありません。
それはなぜか?というと、まず「地震に強い建物の構造」や「被害後の生活の補償」に多くの人の目が向いているからだと思われます。
しかし、以前もご紹介しましたが、現行の耐震構造基準は「1981年」に制定されたもので、震度6以上の地震に対応できるとなっていますが、約40年も前のものであり、必ずしも安心できるものではありません。
さらに言えば、東京都の震災対策条例では「震災を防止するため、自己の安全の確保に努める」となっていることからもわかるように、「事後」ではなく「発生時」の安全を確保することは「義務」でもあるのです。
では、具体的に「地震発生時に避けるべき事態」とはどういうものでしょうか?
大きく分けて2つありますのでご説明すると、
・家具や電化製品の倒壊・移動により、自身や家族がケガをする。
・家具や電化製品の倒壊・移動により、避難経路をふさいでしまう。
どちらもキーワードになるのが「家具や電化製品の倒壊」となっていますが、実はこのふたつにより巻き起こされる最悪の事態が「危険から逃げられなくなる」という点でも共通しているんです。
どんなに優れた「耐震構造」を持つ建物でも、完全に揺れを相殺することはできません。
ということは、やはり「自分で家具や電化製品の倒壊・移動を防ぐ」必要があるわけです。
そして「有形の地震対策」が必要な理由はもうひとつ。
「非常事態時の物資の備蓄は、誰もが自分たちの分のみ行う」という点です。
核家族化、少子化、周辺住民との没交渉化など、今や時代は「個の時代」。
他人の分まで物資を備蓄するような人の良い方も、今では少なくなってしまいましたから。
実践!これだけ今すぐできる「地震対策」 戸建て編
さて、ここからは具体的な「有形の地震対策」を、戸建てとマンション・アパート別にご紹介していきましょう。
まず戸建てに関してですが、隣室や別フロアがあるマンション・アパートとは異なる点が「家具や電化製品が揺れにより外に飛び出す可能性が高い」というもの。
比較的隣家との境界が近い「分譲地」や「住宅地」であれば、この限りではありませんが、例えばピアノなど大きく重量があるものが、地震の揺れにより移動してしまい、向かった先が運悪く「バルコニー」だったとしたら?
考えただけでも心臓に悪いですよね。
(もちろんマンション・アパートでもあり得ない話ではありません)
このように戸建てでは「窓やバルコニーなどの近くに家具・電化製品を設置しないようにする」のが先決です。(ガラスの飛散防止にもなります)
居住区が限られるマンション・アパートに比べ、戸建てでは家具や電化製品も大型で重量のあるものが用いられることが多いので、この対策は優先すべきでしょう。
次の戸建てでの対策は「家の中に避難するべき安全地帯を作る」というもの。
落下するようなものが一切配置されることなく、家族全員がすぐに移動できる場所をあらかじめ用意し、揺れが収まるまで身を潜めていられる場所を確保しましょう。(地震によるけがの原因の約半分が落下物によるものだそう)
念のため、非常用の備蓄物や厚手の靴などをすぐ持ち出せるようにして、この「安全地帯」に配置するようにしておくと、有事の際にスムーズな避難が可能になるでしょう。(特に寝室を安全地帯に設定する方が多いようです)
次の対策は「避難経路が確保できるように、出口までの動線近くに大きな家具を配置しない」というもの。
戸建てに限らず、地震の時に倒壊しやすいのは「高層階」ですが、最近では2階建てどころか「3階建て」の住宅も増えてきました。
しかし、戸建ての場合、よほどなことがない限りは外への動線は「1階のみ」。
窓から飛び降りるわけにもいきません。
(マンション・アパートは高層階といえども必ず通路が存在する)
最初の対策と同様に、揺れにより家具や電化製品が「ドアを遮るように」倒壊・移動してしまったとしたら、反対側からドアを開けることもできなくなりますし、仮に揺れの後に火災などが発生してしまったら、文字通り逃げ場がなくなってしまいます。
これらのように、戸建てでの対策は「戸建てであるが故の理由」が存在しています。(もちろんマンション・アパートに関しても、それ故の理由はあります)
ですので、事前に家族と家の中の安全地帯や避難経路、有事の際の対応を話し合い、家族みんなが「なぜその対策を行っているのか?」を理解するようにすれば、これらの対策の効果もより望める状況になっていくことでしょう。
実践!これだけ今すぐできる「地震対策」 マンション・アパート編
次にマンションやアパートなどの「集合住宅」における対策を見てみましょう。
戸建てに比べ、各世帯が非常に接近している「集合住宅」の場合、「室内の安全地帯で揺れから身を護る」~「倒壊の危険性がある建物のない広い場所へ避難する」という行動の「タイミング」が若干シビアになります。
なぜなら、建物から避難する際に「1階にある限られた出口に住民が殺到する」という事態が考えられるからです。
(非常階段や出入り口が複数ある物件の場合も油断は禁物です)
加えて、比較的一軒家に比べ、居住スペースに限りのある集合住宅ですので、より家具や電化製品などの「密集度合い」が高く、十分な避難経路の確保への障害となる事態も予想されます。
しかし、集合住宅ならではの利点もあります。
それは「玄関までの室内避難経路が短い」という点です。
この利点を活かした対策のひとつが「玄関先の廊下を安全地帯にする」というもの。
構造上、集合住宅の間取りは「玄関から伸びた廊下からすべての部屋にアクセスできるようになっている」ものが多く、普通「通路」には物を置いたり、落下するものを飾ったりということが少ないもの。
唯一の出口となる「玄関」へのアクセスも容易であるため、まさに理想的な「室内の安全地帯」となるのです。
もうひとつの対策としては「家具・電化製品や窓ガラスの固定・移動・飛散防止を厳重に行う」というもの。
この対策も前述の「集合住宅の居住スペースには限りがある」という部分から導き出されたものですが、それ以外の理由としては「建物全体としての強度は集合住宅の方が一軒家よりも強固である場合が多い」という点にあります。
(例えば、地震などの災害の場合「マンションの一室のみが倒壊した」という状態はなかなか想像しにくいものですよね?)
そのため、「部屋そのものの損壊」よりも「室内の物品の倒壊・移動・飛散」への対策を行った方が良いのです。
ただし、賃貸や公営住宅の場合、この対策を行うことが難しくなるのが欠点です。(壁や柱に穴を空けたり、ネジを打ち込んだりできませんからね)
これらの対策だけで、災害時の危険をすべて解消できるわけではありませんが、「まさかの事態」への備えとして少しでも参考になれば幸いです。
タワーマンションでは対策必須!「長周期地震振動」に気を付けて!
最後のセクションは、近年増加した「高層・超高層マンション」に関するトピックをご紹介いたしましょう。
それは、聞きなれない言葉ですが、「長周期地震振動」に気を付けましょう!というお話です。
この「長周期地震振動」とは何か?というと、激しい地震が起きた際に「高階層の建物が、しなるように大きく・ゆっくり振動する現象」のこと。
しかも、厄介なことに「地震の振動」よりも長く続く場合がほとんどなのです。(もちろん、建物が高くなればなるほど影響が出てしまいます)
ですので、前述の「家具・電化製品等の倒壊、移動防止」は、高層階であればあるほど対策必須になるといえますね。(M8クラスの地震の場合、揺れ幅が2mにも達するという試算もあるそうです)
さて、「自分でできる住まいの地震対策」はいかがでしたか?
あなた自身や、家族など大切な人々を災害から守るためにも、いち早くなんらかの対策を実践してはいかがでしょうか?
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