一周回ってお買い得物件に?「不動産競売」とは?
一周回ってお買い得物件に?「不動産競売」とは?
今回のおうち不動産の記事は、当事者の立場的に「できることなら実践したくはない」ことであろう「不動産競売」がテーマですが、スポットが当たるのは「競売物件の購入について」でありますのでご安心を。(住宅ローンが危機的状況にある方は、以前ご紹介した「任意売却」を、早めに不動産会社(おうち不動産では、無料相談実施中!! ※任意売却取扱主任士在籍)にご相談ください!)
ただし、今回取り上げる「競売物件の購入」ですが、正直「シロウト」にはかなり荷が重い分野ですので、「優先的に競売物件に手を出す」目的ではなく、「競売物件とはどのようなものか?」「競売物件の現状とは?」という観点から知っていただくことで、ご自身の「不動産購入」にお役立てください!
皆さん、心の準備はよろしいですか?
それでは、ディープな「競売物件の世界」へ出発しましょう!
建物・住宅が「競売物件」となるまで
以前、「任意売却」の回でも軽くご紹介しましたが、まずは普通の建物・物件が「競売物件」となるまでの道のりからご説明しましょう。
不動産を買う際に、ほぼ必須であるのがごぞんじ「住宅ローン」。
ですが、中にはさまざまな事情や理由により「ローンが払えない!」という由々しき事態を迎えてしまう方も少なからず存在します。
「住宅ローン」とひとくちに言いますが、要は「誰か(融資元)が購入費用を貸してくれている」ことに変わりなく、「住宅ローン」が成立した時点で、その「融資元」が「債権者」ということになります。
もちろんそういった「債権者」の立場からすると、「債権をできるだけ100%に近い形で回収」しなければ大損となってしまいますよね?
これを踏まえた上で、かなりざっくりと説明すると、「民法に基づいた上で、債権者の債権回収のために、裁判所が担保の不動産を売却する(売却方法は入札形式で行われる)」ことを「競売」といいます。
この「競売」は、債権回収のためのいわば「最終手段」であるため、債権者の「申し立て」を元に「裁判所」が行う『強制執行』となり、ローンを支払っている「不動産所有者(債務者)」の意志は全く反映されることはありません。
そして、かなり細かい部分ですが、「競売物件」は上記のような経緯を通ってきているために、通常の「宅地建物取引業法」ではなく「民事執行法」という法律にのっとっていますので、「取引が全て自己責任」であり「問題はすべて訴訟にて解決する」必要があります。
ひとことでいうと「競売物件」とは「住宅ローンの支払いが滞り、債権者の債権回収のために、裁判所が売却を行う物件・不動産」ということになります。
そして「競売物件」が最終的に「物件の引き渡し」まで完了した場合でも、「登記事項証明書」の記録の上から「線を引いて取り消される」だけとなり、過去において「競売物件であった経緯」は一目瞭然の状態となります。
(建物を取り壊すなどして「減失登記」すれば記録が抹消できます)
これから「住宅ローン」を利用している方にとっては「かなり恐怖を感じる」話だったと思いますが、反面教師として知っておくのも良いかもしれませんね。
見るだけだったら怖くない?「BIT」で「競売物件」を見てみよう!
さて、こんな敷居の高そうな「競売」ですが、全体的に見ると驚くなかれ「近年、個人の参加は増加傾向」にあるといえます。
その理由の一つとなっているのが「BIT」であるといえるでしょう。
この「BIT」とは「不動産競売物件情報サイト」の略称であり、ネット上で全国の「競売物件情報」を閲覧することができる「WEBサイト」です。
(不動産競売物件情報サイト:http://bit.sikkou.jp/)
パッと見はどこかの不動産店のサイトのように見えますが、絞り込み検索の中に「裁判所で探す」の項目があったり、物件情報のトップに「事件番号」が掲載されていたりと少し物々しいですね。
ここでは「競売物件」を調査する上で必要不可欠といえる「3点セット」がダウンロードできます。
軽く説明すると
・物件明細書(物件の権利等が記載されている)
・現況調査報告書(現在の物件に関する「占有」状況等が記載)
・評価書(「評価人」による物件の適正価格などが記載)
となっており、通常の不動産情報とは異なった部分の情報が読み取れる仕組みになっているんですね。
物件の写真なども掲載されているので「怖いもの見たさ」を満たしたいあなたは一度ご覧になってみては?
「競売物件」のリスクとは?
ここまで見てきて、「競売物件とはいえ、なんだか自分でも購入できそうだ」と思った方も中には少なからずいらっしゃるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
実はまだまだ「表面的」な部分に過ぎず、本当の意味での「競売物件のリスク」を理解するには程遠いものがあります。
次は、それらの「リスク」から代表的なものをご紹介して行きましょう。
まず最初となるのが「現在物件に住んでいる占有者との立ち退き交渉は、自身で行わなければならない」ということです。
これはどういうことかというと。
まず「競売」においては「債権者の異議申し立て」により裁判所が「競売の入札」を実施するまでに、長ければ1年以上かかることもあるんです。
さらにその「入札」でも売れなければ、3ヶ月ほどの期間を置いた上で価格を下げて再度「入札」となりますが、3回目までに売れなければ「競売は一旦停止」となってしまうなど、「数年間ローンを支払わずにただで住むことができてしまう」わけで、「債務者(占有者とも呼ばれます)が居座り続けている」という状況がかなり頻繁に見られます。
このような、海千山千の「占有者」の存在が、「競売物件」の取り扱いをさらに難しくしてしまっているんですね。
実際に前述した「BIT」でも、驚くほど低い「売却基準価格」が提示されている物件が見受けられるのですが、上記の手順を繰り返しても「明け渡し」に届かない物件は、こうして不当に「占有」され続けていると見ることができます。
次に、中古マンションなどで多いものが、「管理費や修繕金も大幅に滞納してしまっており、物件の価格以上にかなりの費用がかかるケース」です。
こうなると「債務者」だけでなく、マンションの管理組合や大家さんとも交渉しなければならなくなり、時間的・労力的にも購入者の負担は増すことから、落札してみたものの「保証金」を放棄してしまう場合もあるようです。
こうした「リスク」があるからこそ、「シロウトに競売はオススメしない」と言い切れるわけなんですよ。
それでも「競売物件」が欲しい方へ
現状を踏まえると、やはり個人で「競売物件」を購入するのは難しいと思う方も多いと思いますが、どうしてもこの物件が欲しい!という意欲がある方には「競売物件代行」という手段があることもご紹介しておきましょう。
これらの「競売物件代行サービス」は、通常の不動産会社が行っている場合もありますが、より専門性が高く、プロとしての経験が問われるサービスとなるので、純粋な「競売」専門の会社は決して多くはありません。
そして万に一つ、これらのサービス会社を選ぶという状況になった場合のアドバイスですが、通常の不動産会社のような「成果報酬」タイプの会社を最優先にすると良いでしょう。(ただ、こうなるとほぼ通常の物件と同等、もしくは割高なコストがかかるとは思われますが…)
だいぶ駆け足とはなりましたが、皆さんディープな「競売」の世界はいかがでしたか?
決して万人が必要とする知識や分野ではありませんが、このような「イレギュラー」な情報ですら「手段の一つ」には変わりありません。
ひょっとしたら、あなたの求める「最高の物件」はこの世界にあるかもしれませんよ?
【スタッフブログ】
不動産取引の主役!おうち不動産の「中古物件」徹底解剖 Vol.1
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