誰にも聞けない「任意売却」のお話!?
決して安くはない住宅ローンを駆使し、不動産を所有されている方が最も遭遇したくない事態、それはきっと「任意売却」と「不動産競売」でしょう。
しかし、どんなにその事態を嫌ったとしても、人によっては残念ながら「その時」を迎えてしまうこともあるはずです。
そして、仮に周囲に頼りがいのある友人が多くいたとしても、まず経験者が見つからないのがこのふたつの事態ですので、「当事者」としては自分ひとりの体制が「デフォルト」となってしまうように思えるかもしれません。
そんな方に今回の記事が、少しでもお役立ちできれば幸いです。
ただ、願わくは「転ばぬ先の杖」であって欲しいものですが…
住宅ローンが払えない?「任意売却」と「競売」って一体何?
私たちが不動産購入する際に、ほぼ確実に利用するであろう「住宅ローン」。
しかし、さまざまな理由により「ローンが払えない」事態に陥ってしまう場合もあります。
そんな事態を解決するための仕組みが、今回紹介する「任意売却」ですが、もうひとつ「不動産競売」という仕組みもあります。
もちろん混同してしまってはいざという時に困るでしょうから、順を追ってご説明しましょう。
最初に「不動産競売」からざっくりご説明すると、「民法に基づいた上で、債権者(住宅ローンを行っている銀行)の債権回収のために、裁判所が担保の不動産を売却する」ことです。
しかし、この「不動産競売」はあくまで「最終手段」に過ぎず、債権者による「申し立て」が裁判所に受理された場合、「債務者(ローンを支払っている不動産所有者)の意志は反映されない」という『強制執行』です。
それに対し、今回の主役となる「任意売却」は「任意」の文字が表す通り「債務者の意志も反映される」仕組みとなっています。
こちらもざっくりと説明すると、「不動産会社の仲介により、債務者・債権者の調整を行った上で、一般市場にて担保の不動産を売却する」ことです。
「強制」と「任意」という言葉の違いだけでも、このふたつが全く「異なるもの」であることが分かると思いますが、「競売」が「強制的な法的手段」であるのに対し、「任意売却」は「自主的に行う行動」となるため、その内容やメリット・デメリットも大きく異なります。(次のセクションで取り上げます)
ただし、どちらも基本的には「3ヶ月以上住宅ローンの支払いが滞っており、ローンの一括返済を求められている」人のための措置であることに変わりありませんので、悠長にしている場合ではありませんよ?
次のセクションでは、さらに「任意売却」に関するお得な情報をご紹介していきましょう。(当サイト前回の記事の「任意売却とは?!メリットと競売との違い!!」も要チェックです!!
しっかり見極め!「任意売却」のメリット・デメリット
唐突ですが、いかなる手段も、それが持つ「メリット・デメリット」を知らずして有効活用はできません。
おおまかに「任意売却」のメリットをご紹介すると
・債務者の「自由度」が高い(普通の不動産売却と同じ手法が使える)
・「引っ越し代」が出る可能性もある(調整・交渉次第)
・売却後の残債がある場合も、話し合いで解決できるチャンスが生まれる
・買受者(担保不動産購入者)を指定できる
これらのメリットを見るとわかるのが「任意売却は話し合いが必要不可欠」ということであり、当然、債務者・債権者間を取り持つ「不動産会社の交渉力」がカギとなるんです。
次にデメリットを挙げてみましょう。
・債権者との話し合い次第では「ハンコ代」を要求されることもある
(この「ハンコ代」については後述します)
・悪意のある「不動産会社」による詐欺が存在する
・通常の「不動産売却」同様の手続きが必要になる
こうして並べてみると、ふと気づくことはないでしょうか?
お察しの通り、ひとつひとつ精査してみると導き出せるのが、目的が違うのみで、「通常の不動産売却と何ら変わりがない」ということ。
(詐欺まがいや悪意のある業者も同様に存在するのが残念ではありますが…)
そこに気づくだけで、ずいぶんとラクに「任意売却」を理解することができるようになると思います。
さらに、ほぼ通常の「不動産売却」と変わらないということは、「仲介に入ってくれる不動産会社」も非常に重要となってきますよね。
次のセクションでは「任意売却」においての「不動産会社」との付き合い方を一緒に考えてみましょう。
こんな時も強い味方になってくれる「不動産会社」との付き合い方
では、仮に「任意売却」となったら、どんな「不動産会社」と付き合っていけば良いのでしょうか?
まず、最優先すべきなのが「任意売却を得意とする不動産会社」ですが、その理由は「任意売却」の際には「債権者との交渉力」がモノを言うからです。
最終的な手段である「競売」ではなく、債務者の自由度が高い「任意売却」を選べるかどうかは、ローンを返す対象である「債権者」次第であり、当然のことながら「約束だったローンが破綻している」時点で債務者自身の信用は地に落ちています。
それを挽回するのが、不動産会社の「最重要任務」なのですから、これまでに多く「任意売却」を手掛けてきた不動産会社は、いわば「債権者の合意を引き出すプロ」というわけなんですね。
しかも、第一・第二と複数の債権者がいる場合は、さらに大変です。
「競売」の場合、複数の債権者への(売却益からの)返済配分はルールとして決められているのですが、「任意売却」においてはノールール。
この調整も行わなければならないわけですから、仲介する不動産会社はまさにてんてこ舞い、慣れてない会社には荷が重いというわけです。
少し脱線となりますが、ここで紹介した「複数の債権者による任意売却」の際に、前セクションで登場した「ハンコ代」が用いられることが多いので、合わせてご説明すると。
「競売」において、「債権合計よりも不動産の売却益が低い」場合、債権者の優先順位によっては、「売却益から1円も配分されない」場合があります。
(未払い分は「残債」となるが、「抵当権」はこの時点で抹消せざるを得ない)
しかし「任意売却」であれば、少し大きな声で主張すれば「配分される」可能性が出て来る状況なのですから、人によっては「ゴネる」こともあるでしょう。
もちろん、「競売」と違って強制的に「抵当権」が消えることはないので、債務者としてはこういった債権者にも「抵当権抹消」のお手伝いをしてもらわなければなりません。
こうして、「抵当権抹消のためのハンコ」を押してもらうために、債権者に支払うお金のことを俗に「ハンコ代」と呼んでいるのです。
(※ルールではありませんが、目安となる金額が決まっています)
このように「任意売却」においては、「全体をうまくまとめられるだけの力がある不動産会社」を見つけられるかどうかが最大のカギとなります。
(逆に、理想の会社を見つけた時点で、うまくいく可能性はハネ上がります)
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「任意売却」で明るく「リスタート」するためのワークフロー
では、実際の「任意売却」はどのように進めていくのか?を見ていきましょう。
リスケジュールの実施
ほとんどの場合、最初はローンを組んでいる銀行や、物件を購入したときに担当した不動産会社などから住宅ローンの「リスケジュール(リスケ)」を勧められます。
「任意売却」の打診(債権者との調整)
「リスケ」では立て直しが難しく、実際にローンの滞納が発生し始めた段階で「任意売却」の準備として、事前に債権者へ「任意売却」を打診します。
(先に「競売」の手続きが成立する前に債権者が合意する必要があります)
この段階以前に、仲介する不動産会社は物件査定を含め、「任意売却」のプランを入念に準備し、債務者(売主)と打ち合わせを重ねます。
販売活動開始~買受人決定
債権者に「任意売却」への同意が得られたら、物件の販売活動を開始します。
「任意売却」では、物件の買主のことを「買受人」と呼びますが、仮に親族などが「買受人」になれば、将来的に物件を買い戻せる可能性もあるのが「任意売却」の利点のひとつです。
債権者による「売却金額」の承認・売却益配分調整
仮に「売却金額」が不当に低ければ、損をするのは債権者ですので、最終的な「売却金額」の決定には債権者の承認が必要です。
当然、この時点で「売却益」が決定しますので、複数の債権者がいる場合はそれぞれの配分調整も並行して行います。(前述の「ハンコ代」が必要なケースもあります)
売買契約締結・引き渡し
実は「任意売却」の場合、通常と異なり「契約・引渡し」を一日で行うことが慣例となっているのですが、なぜかというと「売主にお金に困っている」という状況で「手付金の持ち逃げ」を防止するためです。
もちろん、「買受人」はこの1日に一括で支払い完了できることが条件のひとつとなっています。
だいぶ駆け足でしたが、「任意売却」の一連の流れはつかめましたか?
「家を買う」という一世一代の大仕事、しかし、その裏で誰かが「家を手放している」昨今、できるならお世話になりたくはない知識ですが、まさかの事態のために「任意売却」を知っておくことは決して無駄にはならないと思いますよ?
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